提供薬剤について

歯科治療現場において、偶発症対応時に静脈の確保は現実的ではないとのご意見から、
静脈注射薬剤を避け、筋肉内注射・経口・口腔内噴霧により投与できる以下8薬剤で構成いたしました。
※ご使用の際には、歯科医師の先生のご判断で患者様に投与いただきますよう お願いいたします。

アトロピン注0.05% シリンジ 0.5mg/1mL (23G RB注射針を付属)

脈拍数が毎分50回以下になるような迷走神経性徐脈に対しては、副交感神経遮断薬であるアトロピンを成人で1アンプルを筋肉注射します。

アドレナリン注0.1% シリンジ 1mg/1mL (23G RB注射針を付属)

アナフィラキシーや気管支喘息発作が疑われる際の第一選択薬として投与します。
ショック時の補助治療や気管支喘息の気管支痙攣の緩和、急性低血糖症の補助治療に使用されます。

※緊急時は衣服の上から注射も可。

デキサート注射液1.65mg (針付き1mLシリンジを付属)

副腎皮質ホルモン(ステロイド薬)
気管支喘息発作などアレルギー反応による気管支の浮腫により呼吸困難になった場合に投与します。
炎症やアレルギー症状を改善したり、免疫反応を抑える等、様々な働きがあります。

成人に対して1アンプルを投与します。

ホリゾン注 10mg (針付き2.5mLシリンジを付属)

神経の興奮を抑制することで、てんかんなどによる痙攣発作等の症状を抑えるジアゼパム系の向精神薬です。

成人に対して1回1アンプルを投与します。

エホチール注10mg (針付き1mLシリンジを付属)

血管迷走神経反射などにより最高血圧70㎜HG以下の血圧低下が継続する場合には、昇圧剤であるエホチールを成人の場合、1/2アンプル、5mgを筋肉内注射します。

ニトロールスプレー 1.25mg

狭心症発作の際、心臓の冠動脈をひろげ、心臓の負担を軽減します。
ニトロールスプレーを1噴霧口腔内に投与し、救急車の到着を待ちます。
5分経過しても、症状が改善しない場合は、ニトロールスプレーをもう1噴霧行います。

ニトロールスプレーの使い方

  1. 保護キャップを外し、容器を垂直に立てて持ち、噴霧栓を強く押して、正常な薬剤噴霧が確認できるまで、2~3回空吹かしを行います。
  2. 噴霧口を口から約2㎝以内に近づけ、口を大きく開き、息を止めた状態で噴霧栓を強く押し、口腔内に噴霧し、すぐに口を閉じてもらいます。この時、息は深く吸い込まないでください。
ニフェジピン 10mg

末梢血管や冠動脈を拡げて血圧を低下させる働きがあるカルシウム拮抗薬です。
最高血圧が200㎜Hg以上、最低血圧が140㎜Hg以上が継続する場合、ニフェジピン10mg錠を2錠経口投与します。

ブドウ糖粒 3g

患者様の血糖値が70mg/dL以下まで低下した場合、

  1. 意識がある場合には、ブドウ糖3gを3粒ないしは4粒を経口にて摂取してください。
  2. 意識がない場合には、窒息・誤嚥に注意しながら、歯茎にブドウ糖液を塗ってください。

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