偶発症への対応と緊急薬剤の使用方法

歯科治療現場での偶発症への対応と緊急薬剤の使用方法についてご紹介いたします。
必ず併せて偶発症の疾患別対処法もご確認ください。

患者様の急変時には、原因となっている疾病を診断する事よりも、

  1. 意識、呼吸、循環の状態を迅速に評価し、
  2. 救命を第一として緊急処置による状態の改善を目指す。
  3. 既往歴や主な症状から、原因疾患を推定して薬剤を投与する。

※患者様の呼吸、循環の状態等を評価するために、生体監視モニター・パルスオキシメーター・血糖測定器を常備することが望ましい。

患者様の様態が急変したときに、心肺停止を疑い、救急蘇生法の指針に則った対応を開始する。

  1. 患者様の反応を確認する。
  2. 呼吸の有無を、胸部や腹部の上下の動きで確認する。
  3. 可能であれば頸動脈の拍動を確認する。
呼吸がなく、心停止になった場合
  1. 反応・呼吸がなく、脈も触れない、もしくは判断に迷う場合は、ただちに30回の胸骨圧迫を開始する。
  2. 気道を確保し、人工呼吸を開始する。
  3. 以後、胸骨圧迫30回・人工呼吸2回をセットにして繰り返す。
  4. AEDの準備ができ次第、使用する。
  5. 心肺蘇生を継続しながら、救急車の到着を待つ。
  1. 薬剤名と使用期限の確認。
  2. シリンジに注射針をセットし薬剤を吸引。
  3. 肩を露出し、肩峰の位置を確認し、肩峰から指3本下(約5㎝)が注射位置となります。
  4. 注射位置を消毒やアルコールで消毒し、皮膚面に対して垂直で注射針を刺し、筋肉内に到達させます。
  5. 注射針を入れたら、激痛やしびれがないことを確認。
  6. ゆっくりと薬剤を注入します。
  7. 注射針を抜いた後、軽くマッサージを行ってください。

監修 大阪市立大学大学院 救急医学 教授 溝端康光先生
制作 フォーサイテック株式会社

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